I'm the half blood prince










あのひとの告白。


あの時の哀しい目を、僕はずっと知っていたような気がする。


信じてくれないかもしれないけど───
僕自身、あの時はちゃんとは分っていなかったけど───


だからあのひとに惹かれたんだって事。


惹かれてる、なんて最初は認めなかった。
だってあのひとは僕を憎んでいると言うのだし、
現にいつだって僕には厳しい言葉しかかけないあのひとを
恐れて、苦々しく思うことはあっても、
惹かれるなんてことがあるわけがない、と。

でもその一方で、僕一人が背負っていると思い込んでいた“孤独”を
何故かあのひとにも感じてた。
何も分かち合えない僕たちの間に、“孤独”だけが共通項になっていた。


僕を打ち払いながら
圧倒的な力の差を見せつけて叩きのめしながら
あのひとは、憎しみじゃない眼差しで僕を見下ろした。


どうしてそんな痛みに満ちた生き方をあのひとは選んだのか。


その答えの奥底に僕がいたのだと知るのはもう少し先のことだったけれど
それでも僕はあの時
確かに感じたんだ。



あのひとの哀しい目を、僕はずっと知っていたって。

そしてその目にいつだって僕が映っていることを望んでいたって。























gin's works @ 2013.4.23up